第一回 課題本「82年生まれ、キム・ジヨン/チョ・ナムジュ」

開催日: 2019年11月16日(土)

参加人数: 2名

課題本: 「82年生まれ、キム・ジヨン」 チョ・ナムジュ著 

 

記念すべき第一回の奥池袋読書会は、主催の海旧母が数々の読書会に参加してきた中で

読書会の和やかな雰囲気を壊してしまう可能性が高いと感じている一冊を課題本として開催されました。

今回の参加者は海旧母とやっかの2名であったこともあり、男性視点女性視点の双方から当課題本読了後の感想や感じたことを発表しました。

 

以下、参加者の感想です。

 

海旧母

「都内で開催される幾つかの読書会において、その主たる参加者属性に類似性があるという印象を抱いていた。

都内で開催される幾つかの読書会において、その主たる参加者属性に類似性があるという印象を抱いていた。

具体的には、正社員・正規職員で20代~30代の独身者というものだ(狭い経験上のものだし、当然、例外もあることでしょう)。もちろん、これは何ら問題のあることではない。あくまでも自由参加の世界なのだから。

ただ、そうは言うものの、生活環境によってはハードルの高い自由参加と言えるかもしれない。例えば、幼児を抱えた夫婦などを思い浮かべて欲しい。

そこで、もっと多様性というものに配慮した読書会があっても良いのではと考えるようになっていった。そういった問題意識のもとで、本書を課題本に選んだのだ。痛烈な批判を言われてしまうことも覚悟してのことだけれど。

ここで私は「痛烈な批判を言われてしまう」立場にあることを認めざるを得ない。フェミニズムに理解を示し、「私は貴女達の側ですよ」などと言える立場にはない。

そして、ただ黙って耳を傾け、可能な限り改めようと努めることしかできない。ただ、それでも、多少なりとも良い方向へ変化していく可能性を信じたいし、読書はその機会を提供してくれることがあるとも考えている。

なお、多様性に配慮した読書会を実現するには、解決しなければならないハードルがいくつもある。少人数のサークルでは、すぐに実現させることは難しい。それでも諦めずに、少しずつ歩みを進めていくつもりである。もし賛同して下さる方がいらっしゃるのであれば、是非、お力を貸して欲しい。最後に、本書は「視点移動」が絶妙。読み手を作品世界に引き込む力がかなり強いということも、併せて付言しておきたい。」

 

やっか

「読み進めていくうちに、自分が過去に経験してきた女性差別についてを思い出し、

胸が痛くなるとともに、どうやったらそういうことを経験しない世の中になるのだろうかと考えていました。

ダイバーシティというのは、実現するのが本当に大変です。

まずは、ダイバーシティという考え方を忘れずに生活をしていくことから始めたいと思います」

 

韓国では映画化も決定している衝撃作、ぜひ一度お手にとってみてください。